〜研究内容をご紹介します〜

研究サポートへの御礼


 このサイトでご紹介している研究は、大学の多くの先生方、研究室の学生の皆さん、そして共同研究先の企業の方々、その他学会で議論いただいた先生方等により、心温まるご援助・叱咤激励をいただいて遂行してきたものです。まず、これらのすべての皆様に、深く御礼申し上げます。ここでご紹介している研究が酒井個人の力だけで成し遂げられるはずはなく、実際に実験で汗を流した学生の方との不断のキャッチボールは大変貴重であり、また研究室での先生方のご指導ご鞭撻はかけがえの無いものでした。

 そして、このサイトでご紹介している研究は、公的なあるいは民間団体の研究助成により遂行してまいりました。その一部を下記に示し、深く御礼申し上げます。

 引き続き、学術のさらなる発展・教育への砕身・社会への成果の還元に努めて参ります。


酒井道(研究代表者) 科学研究費補助金 若手研究(B)

「時間的・空間的にデザインされたプラズマによるミリ波帯電磁波の制御に関する研究」

(概要)生成されるプラズマ構造の設計により伝搬電磁波の制御を行う新規媒質を作り出す実験研究に対する補助金。オンオフに伴う時間軸上での構造だけではなく、局在化されたプラズマ領域の導波路近傍への設置やプラズマの空間周期構造といった空間軸上でのプラズマ構造設計を行い、その機能性によりT字型動的分岐路の形成ならびに伝搬電磁波の分散関係の制御を行った。


酒井道(研究代表者)、白藤立 科学研究費補助金 基盤研究(B)

「織物型電極構造によるプラズマ生成とその応用分野の開拓」

(概要)新規大気圧プラズマ源のための電極構造の設計とそれを用いた応用分野の開拓に関する実験研究への補助金。高耐圧の絶縁被覆線を編んだり織ったり、といった手法を採用して、"織物型"あるいは"ファブリック型"と呼称し、1次元〜3次元の大気圧プラズマ処理空間を実現した。そして、その応用として、金属酸化物の仕事関数制御や液中でのプラズマ生成・それに伴う酸化・還元反応場の生成を確認した。


酒井道(研究代表者) 科学研究費補助金 萌芽研究

「細線状プラズマと金属線の多重らせん構造による3次元動的メタマテリアルの創出」

(概要)メタマテリアルの新規形態の提案とその実証に関する実験研究への補助金。LC共振器とプラズマ生成電極の両機能を併せ持つヘリカル形状の金属線を用いて、LC共振器とプラズマの複合体としての新規かつ動的性質を持ったメタマテリアルについて提案し、そのマイクロ波に対する特性の診断を通して、広周波数帯域において負の屈折率状態となることを示した。


酒井道(研究代表者) 科学研究費補助金 基盤研究(B)

「負屈折率状態実現に伴う新奇プラズマ生成現象の観測と応用」

(概要)高密度プラズマ生成と負屈折率状態が同時に進行する現象の観測と応用検討を実験・理論の両面で行う研究に対する補助金。メタマテリアルとして負の透磁率体を導入し、そこに数百Wのマイクロ波を入射することで、非線形媒質としてのプラズマが生成されて負の誘電率状態を示すようになる過程を実験的に観測している。そして、屈折率が虚数から負の実数へ変換する中でマイクロ波伝搬が変化する非線形過程の解析も行っている。


酒井道(研究代表者)、杉山和彦 科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究

「光周波数コム型レーザ光による大気圧プラズマ分光診断」

(概要)光周波数コム型レーザ光により精緻な吸収分光法を確立するための実験研究への補助金。光周波数コムを精密で細かな周波数量子化レベルとし、それに単一波長レーザを重畳させて測定の零点とし、生じたビート信号をマイクロ波帯スペクトルとして分析した。光周波数コム間隔(数10 MHz等)を単位とする周波数分解能で可視光・赤外光領域の吸収スペクトルを一括で取得できることを実証した。


酒井道(研究代表者) 学術研究費助成基金助成金 挑戦的萌芽研究

「大気中イオン性プラズマの基礎学理構築」

(概要)正イオンと負イオンのみで構成され電荷中性を保って大気中で存在する状態に関する実験・理論両面での研究に対する補助金。電子を含まないので通常のプラズマとは異なるが、巨視的な電気的中性は保たれているので、大気圧プラズマの下流等に広く存在すると思われる。その基本的な構成方程式を導き、誘電特性を明らかにしながら、密度等のパラメータを診断する手法を提案する計画である。


酒井道(研究代表者) 独立行政法人新エネルギー産業技術総合開発機構 産業技術研究助成事業 平成18年度第2回

「プラズマ複合体とマイクロ波・ミリ波の相互作用場による新規機能発現及び通信デバイス・製造プロセス応用」

(概要)プラズマとマイクロ波の相互作用性について、その産業応用を踏まえながら、新機能発現を検討した総合研究に対する助成。プラズマの空間周期構造による禁制帯 の発現についての詳細な検討、誘電率が負の状態で存在する孤立したプラズマのアレイが保持する表面プラズモン様の局在表面波伝搬の発見、そして金属メタマテリアル構造とプラズマとの複合体の設計、それらを合わせた電磁波フィルター・アンテナ・ネットワーク機能等の通信デバイス応用に対する実証を行った。また、逆に、高出力マイクロ波により大気圧プラズマ生成を行い、新規の製造プロセス用プラズマ源の提案を行った。


田口貢士、酒井道(研究分担者) 経済産業省(委託者:財団法人京都高度技術研究所) 平成22年度戦略的基盤技術高度化支援事業(経済危機対応・地域活性化予備事業)

「窓材軽量化を目指したポリカーボネートへの強化ガラス密着強化熱処理技術の開発」

(概要)小職が上記の科学研究費補助金・基盤研究(B)「織物型電極構造によるプラズマ生成とその応用分野の開拓」で研究した電極を用いて、新規の大気圧プラズマ表面処理装置を実用化・事業化するための支援事業。小職側としては、電極の大面積化(300x300mm)を達成するための技術開発指導を行い、合わせて装置販売先である顧客企業のニーズの把握とそのための処理表面解析技術の開発を行った。